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IRリリース

2019年04月15日

【てら先生コラム】第14回:2019年のゴールデンウィーク

教育業界に携わり30余年の「てら先生」による月1コラム。
今月は『2019年のゴールデンウィーク』ついてお届けします。

 2019年のゴールデンウィークは、皇位継承に伴い4月27日から10連休となります。例年よりも長くなるゴールデンウィークの過ごし方について、今回は考えてみたいと思います。

 

 ゴールデンウィークは新学年が始まって数週間後に到来します。特に新中学1年生や新高校1年生など去年とは異なる環境での学習を始めた子ども達にとっては、新環境での肉体的・精神的な疲れを取ることができる絶好の機会となります。また、学習に遅れが出ていたり、春休みの学習を思うように進められなかったりした子どもにとっては、軌道修正をする機会としても活用することができます。

 

 さらに、まとまった時間を取ることができるので、普段はなかなか手をつけることができない、調べ学習や体験学習をしたり、読書をしたり、ニガテ分野をじっくり克服したりする機会としても利用することができます。

 しかしながら、中には連休中に旅行や帰省、お出かけの計画を立てているご家庭もあるかと思います。そのような場合はどうでしょうか。長期休暇や連休前に、旅行中や帰省中にも子どもに勉強をさせた方が良いのかどうかという質問をしばしば受けます。結論としては、最終的にはご家庭の教育方針次第と言うことになるものの、「成績の良い子どもで、連休中や旅行中でも学習量がゼロになる子どもは少ないようです」と回答しています。

 

 成績が良い子どものご家庭の中には、お出かけ前に日々の学習は終えさせる、旅行先でも朝1時間は学習時間にあてるといった工夫をしているご家庭があります。また、休日だからこそ、保護者も子どもと一緒に計算競争してみたり、同じ時間帯を共に読書をして過ごしてみたりするなど、普段はなかなかできないような学習シーンを演出しているご家庭もあるのです。このような学習時間があったとしても、旅行や外出の楽しさが損なわれることはないように思います。

 

 一方、連休中に全く学習をしないことによるデメリットはあります。

確かに生活にメリハリをつけることは大切ですが、連休中は思いっきり遊んで学習を一切しない生活を送り、連休後には気持ちを切り替えてバリバリ勉強をすることは、多くの子どもにとっては難しいように思います。

 

 報道番組で「連休直後は、なかなか連休前の調子が出ない」とインタビューに答えるサラリーマンが例年取り上げられています。連休中に勉強量がゼロだった子どもも同様で、連休前の調子を取り戻すには時間がかかる場合が多いようです。通っている学校によっては、数週間後には1学期の中間テストが始まります。連休後に模擬テストが控えている子どももいるでしょう。学習の調子が取り戻せないままテストを迎えることになってしまっては、悔いの残る結果になりかねません。ですから、連休中であっても、全く勉強をしない日をつくることはお勧めしていません。

 では、保護者はどのように子どもに接したら良いのでしょうか。連休中の課題や宿題を出している学校はあるようです。そのような場合は、出された課題や宿題は最低限こなすべきものだと考えて、取り組ませると良いでしょう。

 

 しかし、連休中の学習について、特に指定されていない学校に通っている場合は、お通いの塾に、相談されることをお勧めします。子どもの現在の状況と目標によって、必要な学習内容や量、優先順位は変わってくるのが普通です。

最低限取り組むべきものは何で、可能ならば取り組んでおきたいものが何なのかが明確になれば、保護者も、ご家庭の教育方針と家庭内での子どもとの約束により、どこまでを連休中に取り組ませるかが判断しやすくなると思います。

 

例年よりも長くなるゴールデンウィークの過ごし方次第で、その後の子どもの学習の捗り具合も、例年以上に差が出てくるように思います。

~【てら先生】プロフィール~

教育業界に携わり30余年。
何千人もの子どもたち・保護者に学習・進路相談を行う。
現在は株式会社東京個別指導学院 進路指導センター 個別指導総合研究所にて同学院のブレインとして活動。
文部科学省・各学校に足を運び、様々な情報を収集し教室現場への発信・教育を行っている。