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2019年03月06日

次代を担う4人のリーダーシップの旅 社長塾「二木会」

脳みそに汗をかく期間があって初めてリーダーとなる。人財育成と事業成長を結びつける、東京個別指導学院のリーダー育成の試みをご紹介します。

現場を牽引する若手リーダーに社長自ら指南する「学びの場」

 2月、当社の初めての試みである社長塾「二木会」の第一期卒業プレゼンテーションと修了式が行われました。二木会は、次代を担う30歳前後の若手リーダーを対象に、代表取締役社長の齋藤自ら指南する「学びの場」です。

 

 部門長推薦を経て選抜された第一期生は4人。第一事業部(東京)の藤田光、第二事業部(神奈川、埼玉、千葉)の村山卓郎、第三事業部(名古屋、大阪、京都、兵庫、福岡)の新田裕規。いずれも個別指導教室を地域で統括するエリアマネージャーです。本社からは人財開発部の呉屋元洋。エリアマネージャーから本社に異動し、人財採用の要職を担っています。4人は月に一度、現業の合間を縫って本社に集い、学びを深めました。

東京個別指導学院本社にて 左から呉屋元洋、藤田光、齋藤勝己社長、新田裕規、村山卓郎

リーダーとは「山の頂に咲くまだ見ぬ美しい花を、共に見にゆこうと隣で語る人」

  社長塾「二木会」のプログラムは全8回。8か月かけて、塾長である齋藤社長から、リーダーになるために「自分自身を知る」ことを徹底的に学びます。4人が一つの場でアウトプットすることで、互いに切磋琢磨し、高め合う場です。

 

 各回の最後には、リーダーに欠かせない教養講座も。社長秘書の石田奈緒子から、パーソナルカラーやスーツの着こなし、ワインの選び方など、リーダーとしてのプレゼンスを高める教養やマナーが伝えられました。

 

 齋藤社長が目指すリーダーとは「山の頂に咲くまだ見ぬ美しい花を、共に見にゆこうと隣で語る人」。リーダーとは、有機的に見えないもの、すなわちビジョンに対して協働を呼びかけることのできる人です。「見えないものを人に見せるため、そして見えないもののために人が動くようになるには、リーダー自身に選択の基準である確固たる『軸』があることが何よりも大切」と語ります。

 

 齋藤社長はこの「軸」に強いこだわりがあります。二木会では「自分の軸」の徹底した先鋭化を行いました。では、軸とはどう見出すものなのでしょうか。 二木会ではまず、自分自身への問いかけである「キークエスチョン」を考えることから始まりました。齋藤社長は「人は常に問いで思考している。問いの質が思考の質となる。思考の質は行動の質となる」と語ります。

 

 続いては「自分史の掘り起こし」です。人生における忘れられない出来事を書き出し、さらにその時感じたあらゆる感情までも深く掘り起こして、自分の言葉で表現します。言語化することが大切です。

パネルディスカッションでファシリテーターを務める齋藤社長

リーダーは自分を知り、選択の基準である「軸」を持つ

 なぜ、自分史が大切なのでしょうか。理由は藤田と呉屋がプレゼンテーションで説明しました。

 

藤田「自分史は、過去の自分に向き合うこと。そして過去の自分の価値観を知ること。価値観を縦に並べていくと共通項が出てきて、それが軸となる。」

 

呉屋「自分史は、いま大切にしている価値観が自分の何に紐づいているかを『見える化』したもの。過去と現在と未来を接続するために、自分を掘り下げた。今の自分は、過去の経験やプロセスによって作られた。未来の自分は、『今この時』の積み重ねで形作られていく。」

二木会での学びをプレゼンテーションする藤田光

「教えることは二度学ぶこと」大学生講師に二木会での学びを伝える

 4人は、二木会での学びをさらに若い世代である大学生講師に伝えることに挑戦しました。当社には独自に開発した、大学生アルバイト講師の成長支援プログラムがあります。TEACHERS’ SUMMITアカデミーリーダーシッププログラム 120名の講師が参加するこのプログラムの第5回で、「自分自身を知り尽くす」をテーマにしたグループワークを開催しました。

 

 講師が書き出した自分史をベースに、話し手と聞き手に分かれて発表します。人によっては、思い出すのもつらい記憶を仲間に話すことになります。そんな話し手に、聞き手はどうしたらいいでしょうか。まず、話してくれたありのままを受け止めます。さらに共感を示し、問いかけることで深めるのです。問いかけはいわゆるコーチングのスキルでもあります。大学生がお互いに問い問われるトレーニングができる機会は貴重なものです。

 

 問いで深めた自分史はすぐに手直しし、さらに別の人に発表して、ブラッシュアップしていきます。最後に、二木会メンバーが考えた「What・Why・Example」のフレームに収めて、「自分の軸」として完成させます。

「TEACHERS’ SUMMITアカデミー リーダーシッププログラム」第5回の様子

一所懸命、多様性、笑顔、感謝

 そうして迎えた2月21日の修了式。新宿野村ビル会議場には経営幹部や招待者など20人が集まりました。4人は卒業プレゼンテーションで、8か月に亘る学びの成果を発表しました。

 

藤田光(第一事業部)

ともすると自分一人で完結してしまうことを、4人が価値観をぶつけあい、相互補完をして高めることができた。エリアのリーダーとして背中を見せてきたつもりだが、さらに多くの仲間のために『一所懸命』で働く。「自分の過去と向き合い、仲間と共に今を学び、問いで未来を創る。」二木会での学びを大切にしてリーダーシップを磨き続けたい。

 

村山卓郎(第二事業部)

私はこれまで『多様な価値観』を受け入れ、成長してきた。当社をどんな会社にしたいか。人を本気で育てられる会社。誰もがときにはリーダーとしてビジョンを語れる会社。人が育つことで成長する会社 。関わる人のビジョンをも引き出せる、そんな社員の集団になりたい。自分自身に固執した瞬間に成長は止まる。今に囚われず、できることを考える。

 

新田裕規(第三事業部)

リーダーとしての自覚を持ち、高め合える仲間とともに、「自分のありたい姿」から未来を描く。私がいつも大切にしている『笑顔』は、大切な母からの教え。企業理念にある「人の笑顔」という言葉のとおり、私も笑顔を大切にしている。笑顔は自分と人を前向きにすると本気で思っている。だからこそ私は「笑顔あふれる人の未来に貢献する」リーダーであり続けたい。

 

呉屋元洋(人財開発部)

「真心の感謝を伝えることができたか」を自分に問い、『感謝』を大切にしていく。当社ならではのホスピタリティは「今ここであなたのためにという心を添えること」。この「心」とは、感謝の心、ありがとうの心だと捉えている。目の前の一人ひとりを大切にする。人との出会いに感謝して、日々向き合っていく。そんなリーダーでありたい。

 

 卒業プレゼンテーションに続いてはパネルディスカッションです。ファシリテーターは齋藤社長。参加者から4人に対しての問いを受け、場の全員で学びを深めました。

パネルディスカッションで、部門長からの問いに答える村山卓郎

学びの旅、リーダーシップの旅

塾長の齋藤社長の講評です。

 社長塾「二木会」とは、リーダーシップを育む旅です。先行予測の難しい時代に、10年20年30年先を見すえて、人と組織と社会の未来を切り拓く。そのためにまず、リーダーは心と向き合い、心と対話をして、心を定めます。

 

 「二木会」は3つの要素から構成されています。1つは「問いかける」。自分自身へ問いです。問いは思考の質をつくります。なぜなら人は問いで思考するからです。他者への問いかけ、それは関係性を育てます。なぜなら人は問いで対話を進めるからです。問いの質にこだわり、いつも問いを心の近くに置きながら学びの旅を続けてきました。

 

 2つ目は「掘り下げる」。リーダーシップの原点は、本当の自分を知ることです。自分史を紡ぐプログラムでは、一人ひとりが自分自身を掘り下げ、自分との対話を進めました。大切にしたいことは何なのか。これからずっと握り締めていきたいものは何なのか。自身を掘り下げ、本当の自分を知る。これが2つめです。

 

 最後に「共創する」。TEACHERS’ SUMMITアカデミーリーダーシッププログラムの第5回の内容は、「二木会」のメンバーが一から練り上げたものです。テーマは「ノウ・ザ・セルフ」。まさに二木会の真骨頂です。「教えることは二度学ぶこと」という言葉があります。他者への学びを構築するプロセスを通して、自身の学びをも高めることができます。個性の異なる4人がそれぞれの強みを理解し、強みを生かしながら、心そろえて作り上げました。共創の体験です。

 リーダーは人を導く(lead the people)。人を導くことは、自分を導くことから(lead the self)。自分を導くには、自分を知ることから(know the self)。選択の基準である「自分の軸」を見出した4人は、自身の未来と東京個別指導学院の未来を導いていきます。修了式は迎えましたが、4人のリーダーシップの旅は始まったばかりです。

 

 

写真・文 社長室

「笑顔」が軸の新田裕規
パネルディスカッションで執行役員の問いに答える呉屋元洋