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2019年03月04日

増田のトビタテ!ただいま留社中 ~第2回~

パワフルな留学経験人材をつなぎとめ、束ねる「アルムナイ支援」の業務とは。その目的は。

 「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」(以下「トビタテ」)は、日本からの留学生倍増を目指して、官民協働で取り組む海外留学支援制度。2014~2020年までの7年間で1万人の高校生と大学生を派遣留学生として送り出すというものです。文部科学省に設置されているトビタテ事務局に当社から増田昇平が出向しています。増田のリポート第2回をお届けします。

東京個別指導学院でも昨年「アルムナイネットワーク組織」を立ち上げ

 東京個別指導学院から、霞ヶ関の文部科学省に出向している増田昇平です。出向は留学と似ています。異文化の中で多様性に触れ、毎日が新しい発見に満ちています。第2回は、私の業務である「トビタテ生アルムナイの支援」についてリポートします。

 

 「アルムナイって何?」と時々尋ねられます。聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんね。alumni、複数形の英語で「卒業生、同窓生」という意味です。「トビタテ生アルムナイ」ならトビタテの制度を利用して留学した人々の集まりとなります。東京個別指導学院でも昨年「アルムナイネットワーク組織」を立ち上げました。大学時代にアルバイト講師として働いてくれたOB・OGを束ねようという取り組みです。当社のアルムナイは個別指導講師、トビタテのアルムナイは留学支援制度と、同じ成長の機会を得た仲間がつながる仕組みです。

 

 いま大学生コースのトビタテ生は通算で9期4500人ほどが留学を終えて帰国しており、約200の多彩なコミュニティを形成しています。そのコミュニティをつないでいるのが、私たち事務局が協力している大規模アルムナイ組織「とまりぎ」です。なぜ事務局がバックアップするかというと、「トビタテ!留学JAPAN」の設立目的に「人材コミュニティ構築と活用」があるからです。

 

 2014年に発足した「トビタテ!留学JAPAN」のビジョンはこうです。「2020年までに1万人の留学生を送り出し、帰国した彼らのグローバル人材コミュニティを形成して〈産業界を中心に社会で求められる人材〉〈世界で、又は世界を視野に入れて活躍できる人材〉へと育成する。」留学の機会提供だけが目的なのではありません。帰国したトビタテ生のコミュニティ構築とグローバル人材育成も目的なのです。

「とまりぎ」公式サイト

パワフルな人々がつながると大きな力を発揮

 「とまりぎ」は全国9地域に分かれて活動しています。各地域の中でしっかりと役割分担がされ、組織化されています。全国のとまりぎの活動を統括する「全体コア」、地域まとめ役の「地域コア」、「地域代表」「同窓会担当」「情報プラットフォーム」「広報」などの役割があります。

 情報発信にはウェブサイトを、コミュニティ基盤としてはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるFacebookなどを活用しています。情報更新もすべてメンバー自身が行います。

 

 留学を終えて全国に散らばっていったアルムナイですが、もともとパワフルな人々ですので「つながる」と大きな力を発揮します。各地域コミュニティを活性化させるためにどんな勉強会やイベントを運営すればいいか、どんなつながりをつくり深めるかなど、半期ごとに計画を立てます。クリスマスパーティーや送別会などの季節イベントだけでなく、行政や企業とのコラボ、テーマごとの勉強会、トビタテ志望生の説明会なども積極的に展開しています。

 

 どの活動も実に個性的です。関西では、最年少市長が誕生した大阪府四条畷市と組んでアイデアソン。広島県唯一の離島である大崎上島で地域活性ディスカッション。北陸では、企業と組んで北陸の魅力を伝える体験ツアー。関東では、メーカー会HR会、教育系ミート会など、学生と社会人トビタテ生をつなぐワークショップ。テック系人材が集まってピッチ(プレゼンテーションのこと。シリコンバレー発の言葉)を行うイベントには、一般の方も参加して大盛況でした。各イベントの様子は、ぜひ「とまりぎ」サイトをご覧になってみてください。

 

 トビタテ生は、留学の内容も行き先もすべて自分で決めた人たちです。留学という初めての環境に、主体的に乗り込んでいきました。もちろん困難も自ら乗り越えたことでしょう。そんな彼らは、アイデアを実現するための道を自分で切り拓く力があるように思います。私たちの仕事は、彼らのコミュニティ運営が円滑に行われるようにサポートすることと、コミュニティを拡大できるようにインフラ面、ソフト面でフォローすることです。「とまりぎ」運営コア対象の前回の会議は、全国から約60人が集まりました。議論を深めてアルムナイとしての活動目的を明確にすることで、地域での活動が活発になっています。全国9つの地域同士の横の連携も強まってきたと思います。

6期生同窓会「期集まり」の様子(提供:とまりぎ公式サイト)

新しいつながりが高速でできあがっていく同窓会

 1月5日に6期生の同窓会を開催しました。「期集まり」と呼ばれるこの同窓会は、トビタテ事務局が主催します。場所は文部科学省のカフェテリアです。彼らにとっては選考のグループディスカッションで訪れた懐かしい場所。正月にもかかわらず、遠く九州から足を運んでくれたトビタテ生もいて、100人近くが参加してくれました。

 

 同期と言っても、実際は場所と時間を共有する機会が少ないので、初めましての仲間も多いのです。それでも、どのテーブルも大いに盛り上がり、のどがカラカラになるまで話が止まりません。SNSでのやりとりと実際に顔を見て話すのではまったく違います。新しい世界ができていくのが目に見えるのです。「地元でこんなことやってるよ」「次は一緒にやろう」というやりとり。農産業で新事業を立ち上げようとする起業家に対して、発酵の研究者が専門的なアドバイス。会計士を目指す学生がAIの若手旗手と意気投合して新事業に発展しそうな様子。知識がミックスしていき、新しいつながりが高速でできあがっていくのが見えるのです。

 

 トビタテ生一人ひとりは、留学で予想もしない困難に直面しながら、自分で道を切り拓いて成長していきます。ただ、それはグローバル人材になるきっかけにすぎないのかもしれません。慣れ親しんだ環境の外に広い世界が広がっていること、そのステージで躍動するには、他者と協働する必要があることを身をもって学んできています。

 

 帰国後の彼らは、新しいつながりや刺激を求めています。トビタテの目的の一つはアルムナイのグローバル人材コミュニティを形成して〈産業界を中心に社会で求められる人材〉〈世界で、又は世界を視野に入れて活躍できる人材〉へと育成すること。留学後につながることで彼らが大きく成長していく姿を間近で見るのは、教育業一筋の私にとってこの上なく大きな喜びです。

6期生期集まりの集合写真 増田もどこかにいる、はず…(提供:とまりぎ公式サイト)

次回をお楽しみに!

「増田のトビタテ!ただいま留社中」連載第1回はこちら

 

 

【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN

 

 

 

写真・文 大島智子(広報担当)