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2019年01月21日

人気のロボットプログラミング講座に潜入!

「仲間と助け合って論理的に課題を解決する力」をはぐくみながら、お子さまのワクワクが止まらない。そんな楽しい講座をリポートします。

小学3年生が3時間もロボットプログラミング?

 ベネッセサイエンス教室は、ベネッセグループの一員である株式会社東京個別指導学院が運営する、幼児~小学生向けの科学教室です。通年の講座のほか、夏休みと冬休み期間のオプションとしてさまざまな科学実験やロボットプログラミング講座を開催しています。とくにご好評をいただいているのがロボットプログラミング講座です。2020年には小学校でプログラミング教育が必修化となる予定ということもあり、たくさんのお客さまからお申込みを頂戴しています。

 

 当社広報がふと資料に目を落としたところ、「3~4年生対象ライントレースロボット講座 所要時間3時間」とありました。えっ、3時間。同じ年頃の子を持つ広報は思いました。「わが子だったら3時間も持つだろうか…。」

 参加したお子さまは実際どうなんだろう? 3時間のあいだ、ずっと楽しく学んでいらっしゃるのか? その素朴な疑問を解決すべく、当講座を取材しました。
 結論から申しますと、飽きないどころかもっともっとやりたくて時間が足りなくなる、笑顔のあふれる講座でした。受講生のお子さまのイキイキした笑顔をどうぞご覧ください。

ロボットを動かすってワクワク!

 2019年1月のある日の、ベネッセサイエンス教室 吉祥寺教室。「3~4年生対象ライントレースロボット講座」は10名のお申込みを頂戴しましたが、風邪のシーズンということもあり出席は8名となりました。

 3人・3人・2人に分かれてテーブルに座ります。メイン講師はよく通る声でみんなを惹きつける齋藤先生。アシスタント講師は鈴木先生、曽根先生、田原先生で、3人とも現役の理系大学生です。並木教室長も折々で様子を見に入ります。

 

 この講座で使うのは「ライントレースロボット」。黒い線をたどって進むロボットです。線の上に「カラーコード」という色を組み合わせたシールを置くことで、動きの命令を送ることができます。命令には、右に曲がる、左に曲がる、元の道を引き返すなどがあります。

 お子さまたちは、箱からロボットやシールを出すそばからワクワクが止まらないようです。「これ僕のロボ」と見せあいっこする姿に、廊下で見学される保護者さまにも笑みがこぼれます。

ライントレースロボット「Ozobot」を使用しています

行きたいゴールにたどり着く命令を、適切な順番で

 まずはライントレースロボットの特性を知るところから始めます。となりのお友だちとペアを組みます。線を組み合わせた道の端っこにあるA・B2つの地点をスタートに、お互いぶつからないように進んで、別々のゴールにたどりつくというもの。どのような道すじを選べばぶつからないか、となりのお友だちと一緒に考えて、命令シールを貼ります。

 

 続いてはタブレットを使ってロボットに命令を与え、思いどおりに動かしてみます。今回はオンラインアプリを用いて、タブレット上で操作します。感覚的に使えるアプリということもありますが、全員が迷いなくタブレット上ですいすいと指を動かす姿に、広報は驚きを隠せません。

 

 行きたいゴールにたどり着くんだから、「すすむ」の命令をすればいいんだよね?と思う広報。ところが、複雑に交差する線の上を進むときに必要な命令は、簡単ではありませんでした。

 どれだけの距離を直進するのか。

 道を曲がるときの角度は。

 必要な動きを見定めて、ひとつひとつの命令をどの順番で置いていけばいいか考えます。こういった考え方が「プログラミング的思考」とされています。お子さまがあまりにも楽しそうなので学習だと忘れそうになりますが、「論理的思考力」を必要とする21世紀型の学習です。

オンラインツール「OzoBlockly」でプログラミング

思ったとおりに動かせるって、楽しい!

 続いてはじゃじゃーん。先生ロボット登場!

 

 先生ロボットを鬼に「だるまさんがころんだ」で遊びます。先生ロボットにプログラムされている動きをじっくり観察。鬼に見つからないように前に進むにはどうしたらいいかな? そうです、鬼がうしろを向いているときだけ、ライントレースロボットを前に進ませれば見つかりませんね。鬼に見つからないような動き方をレッツプログラミング!

先生ロボとして「アーテックロボ」を使用しています

チームのみんなで力を合わせてミッション達成

 最後は、ミッション「怪盗オゾをつかまえろ!」。

 みんなは平和を守るエージェント。「なげなわ係」「手じょう係」「パトカー係」などの役割をチームで分担し、力を合わせて四方から追い込み、怪盗ロボットの動きを封じるという複雑なミッションです。

 ここまでお子さまたちは、自分が想定する動きを再現するにはどの命令をどの順番でおいていけばいいか、段階を追って習得してきました。このゲームのゴールは怪盗ロボットを「みんなで協力して捕まえること」です。それぞれがどう動くかを話し合ってからでないとプログラムがつくれないのです。さあ、みんなどうする!

帽子をかぶっているのが怪盗オゾ。合図にあわせてみんな同時にスタートするよ!

 課題が進化していくので、お子さまたちは全く飽きていないようです。どのテーブルもにぎやかにお友だちに声をかけあい、怪盗ロボットを追い込むことに夢中になっています。難度の高いミッションで、どのチームもすぐにはうまくいきません。話し合って、みんなで課題を解決するのです。お互いの動きについて意見をぶつけあう姿には頼もしささえ感じます。ロボのゆくえを見守るお子さまの真剣なまなざしに、カメラ越しに思わず息をのむ広報でした。

チームで課題を解決する「協働学習」を通して、論理的思考力をはぐくむ

 ベネッセサイエンス教室 吉祥寺教室の並木大教室長に話を聞きました。(本記事最上段の写真が並木です)

 

—今日は教室がフル回転していましたね。オプション講座の人気を目の当たりにしました。

 

並木教室長 おかげさまで、定期受講生向けのオプション講座は年々規模を拡大しています。この冬はオプション講座全体で300名近くのお申し込みをいただきました。ご好評のロボットプログラミング講座は、去年は3年生から6年生だったものを、この夏に1年生からに対象を広げました。

 

—ええっ!小学1年生でプログラムって早くないですか?

 

並木教室長 あ、よく誤解されるのですが、私たちのロボットプログラミング講座は、プログラム言語そのものを教えるわけではないのですよ。「プログラミング的思考」「論理的思考」「課題解決力」を楽しみながらはぐくむ講座なのです。小学1~2年生でも、身の回りにある遊びの延長線上で十分興味を持っていただける内容です。
お子さまには本能的に「ものを思いどおりに動かしたい」という願望があります。飛行機や車の模型を手に持ってブーンって動かす、あれです。「命令」を適切な順序で実行することで思いどおりに動かす。こういった考え方が「プログラミング的思考」の一つです。その実践を通じて、ロボットを動かせた成功体験を得られるのがこの講座なのです。ロボットを思いどおりに動かせたときのお子さまは、本当に最高の笑顔を見せてくれるんですよ。こういった成功体験を得ることで、さらに難度の高い動きにチャレンジしたいと思ってくれたらうれしいですね。
3~4年生はさらに進んで、動きをチームで考える点を重視しています。5~6年生はさらに難度の高い命令に取り組みます。とはいえ、複雑な命令を出せることがゴールではなく、複雑な課題をシンプルに解決できることを重視しています。このように「段階的かつ論理的に解決するプロセス」を、プログラミングというツールを使って学んでもらうのがねらいです。自分の考えたプログラムで願いをかなえたり身の回りを便利にしたりするのが、プログラミングの本質だと思います。

 

—休憩を2回はさむとはいえ、3~4年生が3時間の長丁場で大丈夫かなと思って見ていましたが、後半に行くほど盛り上がっていましたね。どんな秘訣があるのでしょうか。

 

並木教室長 みんな楽しそうでしょう! ライントレースロボットは既成のものですが、学習内容はすべてオリジナルです。私たち自身で一から練り上げ、段階的に知識を体得できるように設計しています。プログラミング講座は世の中にたくさんありますが、ベネッセサイエンス教室ならではの特長が二つあります。一つは「協働学習」に重点を置いた点です。1人では解決できない課題に仲間と一緒に立ち向かい、一緒に解決する。これが協働学習です。
3~4年生の講座ですと、「怪盗オゾをつかまえろ」が協働学習の要素になります。怪盗ロボットを四方から囲むには、チームで役割分担をし、それぞれの動きを共有する必要があります。このすべてをお子さまたち自身が決めます。怪盗ロボットをどの位置で捕まえるか、どこからスタートするか、もです。ということは、開催ごと、テーブルごとにすべて異なるプログラムを組むことになります。目の前にいるお子さまが、まさに今考えている動きを実現するために、命令を論理的に組み立てる、アクティブな学習です。

 

—メーカーが用意した同じ内容を教えるのではなくて、お子さまの「動かしたい」という思いに応えるということですね。でも協働に重点をおくと、チーム全員の思いが反映できないということはないのですか?

 

並木教室長 その答えがベネッセサイエンス教室の特長二つめですよ! 必ずお子さま5人につき1人以上の科学的知識に精通したアシスタント講師を配置しています。だからこそ、こういったアクティブな学習内容が提供できています。今回は10人予定の講座に3人のアシスタント講師を付けました。9割が理系の現役大学生です。サイエンス系の習いごとでこういった個別対応をしているのは珍しいんですよ。

 

—手厚いフォロー体制が組まれていて安心ですね。メイン講師もテーブルを回りますから、お子さまの様子に合わせて進行できますし。今日のメイン講師の齋藤先生の、的確な説明をしながらもお子さまの話を絶対さえぎらない姿には感激しました。アシスタントの曽根先生は長考型のお子さまが結論を出すまで急かさずに待っていましたし、鈴木先生はお子さまと目線が合うように膝をついてじっくり説明をしていました。田原先生は、タイプの異なる2人のお子さまをうまく取り持っていましたね。

 

 

並木教室長 そうなんです。お子さまに寄り添った講師の対応があってこそ、協働学習が可能なのです。失敗しても励ましてくれて、できたときはすぐにほめてくれて、疑問をすぐに相談できる人がすぐ近くで見ている。だからこそ私たちの協働学習が実現できています。

「この動きを真似してみましょう」ではなく、「みんなで話し合ってここまで動かそう!」という内容は、予想がつかないワクワク感があります。「協働」は、これからの時代を生きる子どもたちに必要な力とされていますよね。仲間と助け合って論理的に課題を解決する。そんな力のベースが、このロボットプログラミング講座でワクワクしながらはぐくむことができると思っています。

 

—なるほど。「動かしたい!」から始まり、動きを「命令」としてロジカルに考えられるようになり、となり合わせたお友だちと協働して難しい課題を解決するところまで学べる。だからこそ3時間があっという間に感じられたんですね。納得しました! 

   優しい語り口でビシッと決める齋藤先生

※1~2年生のロボットプログラミング講座の所要時間は2時間です

 

「なぜだろう?」「こうじゃないかな?」「わかった!」をくり返すことで、お子さまの科学的思考を育む

ベネッセサイエンス教室

https://benesse-kyoshitu.jp/

 

 

文・写真 大島智子(広報担当)