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2019年12月11日

ついに小学生ロボコン開催!2020年STEM教育の幕開け

毎年、熱い注目を集める一大イベントとなったロボコン。ついに今年、小学生のロボコンが初開催されることとなりました。ロボコンは、なぜそれほど多くの人を魅了するのでしょうか。またロボコンによって、どんな能力が培われるのでしょうか。主なロボコンの概要と、その魅力について解説します。

「理数系の甲子園」―国内外の注目を集めるロボコンとは

「ロボコン」とは、毎年異なる競技課題のもとでロボットを製作し、その成果を競い合うイベント「ロボットコンテスト」のことです。ロボコンには幾つかの種類がありますが、もっともよく知られているのが、NHKエンタープライズが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」いわゆる「高専ロボコン」でしょう。(※1)

 

このコンテストでは、それぞれの高等専門学校で結成された120以上のチームが、全国を8つに分けて実施される地区予選に参加し、勝ち抜いた25前後のチームが全国大会で頂点を目指します。1988年に始まった本大会は、今では「理数系の甲子園」と呼ばれるほどの人気と知名度を誇るようになりました。(※1)

 

そのほか、ABU(アジア太平洋放送連合)主催の「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」の日本代表選考会を兼ねた「NHK学生ロボコン」(※1)、東京工業大学とマサチューセッツ工科大学の共催による「IDCロボットコンテスト」(※2)、消防庁などが特別共催している「レスキューロボットコンテスト」(※3)、エンジニアの育成を目指して組込みシステム技術協会(JASA)が主催する「ETロボコン」(※4)など、毎年、幾種類もの大きなロボコンが開催されています。

ロボコンに必須!既成概念を打ち破る柔軟な発想と思考力

これほど多くの大会が開催され、毎年熱く盛り上るロボコンの魅力とは一体何でしょうか。参加者が口を揃えるのは、自分たちの手でモノを作る面白さと、仲間と目標を達成する喜びです。(※5)

 

年々レベルが上がっていくロボコンを勝ち抜くためには、当然のことながら高い技術力が求められます。ロボットの設計から完成までを、仲間と知恵を出し合い、すべて自分たちの手でやり遂げるという達成感、充実感、さらにコミュニケーション能力。こうした能力や経験は、これからますますIT(情報技術)化が進むモノ作りの現場に将来携わりたい学生にとって、貴重な機会となり武器にもなるでしょう。

 

さらにロボコンでは、通常の賞とは別に、「アイデア倒れ賞」や「ロボコン大賞」といった賞を設け、単に課題をクリアする以上の独創性や可能性をも高く評価します。正解のないロボット作りの過程で生じるトラブルを解決するためには、技術力だけでなく、柔軟なアイデア、発想力、のびのびとした想像力が必要です。そしてこうした能力は、今後のIT社会の中心的役割を担うAI(人工知能)にも、まだまだ欠けているとされる能力です。ロボコンは、こうした能力を身につけた21世紀型の人材を育成する場でもあると言えるでしょう。実際、国内でロボット分野をリードする多くの大手企業もロボコンに注目・協賛しており、学生たちに部品を無償で提供するなどのバックアップを行っています。

ついに初開催「小学生ロボコン」はスピードとアイデア勝負

そしてついに、NHKエンタープライズの主催による「小学生ロボコン」が、国内で初めて開催されることになりました。テーマは「お菓子な生きものロボットレース」。ルールは、「モーターの軸に直接取り付けていいのは結束バンドだけ」というもの。モーターと電池と結束バンドを使って制作されたロボットが、2分という時間制限の中で、お菓子のタワーを崩すなどの課題をクリアし、階段の頂点を目指します。「スピード部門」と「アイデア部門」が設定されており、小学生らしいアイデアの面白さも重要なポイントとなります。

 

「小学生ロボコン」の全国予選会応募の締め切りは2019年11月25日(月)で、各部門12名ずつが2019年12月28日(土)の二次予選に進出。さらにそのなかから、各部門6名ずつ(計12名)が、2020年3月1日(日)に「サンシャインシティ 噴水広場(東京・池袋)」で開催される全国大会への出場権を獲得します。

 

なお、「ロボコン公式YouTubeチャンネル」でのライブ配信も決定しています。全国大会では、フィールドをまるで生き物のように走り回る、ユニークなロボットの数々が見られるでしょう(※6)

 

小学生ロボコンが象徴―日本のSTEM教育の幕開け

2020年からは、小学校でプログラミング教育が必修となります。ロボットなどを使ったカリキュラムが想定されていますが、その目的は、IT関連のスキルを身につけことだけでなく、自分で学び、自分で問題を解決できる能力を育てること。幼いうちからプログラミングやITに触れることで、プログラミング的思考を持った、よりグローバル社会に対応した人材を育成することが期待されています。

 

プログラミング教育などのいわゆるSTEM教育(科学・技術・工学・数学の教育分野の総称)は、諸外国では国策として積極的に取り組んでいます(※7)。日本でもSTEM教育への関心は高まっており、民間レベルでも幾つもの企業・団体が子ども向けの製品や教育サービスを提供しています。東京個別指導学院豊洲教室内、ベネッセサイエンス教室においても小学校1~4年生を対象に「STEMプログラミングコース」を設けており、プログラミング的思考力、協同する力、課題解決力を身につけることを目指しています。

 

STEM教育もロボコンも、目指すところはほぼ同じ。ついに始まった小学生ロボコンの開催は、日本の本格的なSTEM教育導入の幕開けを象徴していると言えるでしょう。

 

 

ロボコンは、テレビ放送やネット配信、さらに大会によっては実際に会場で観覧することも可能です。機会があれば、ぜひ一度ご覧になることをおすすめします。仲間と一緒にモノ作りに夢中になっている学生たちの姿に、感動を覚えられるに違いありません。そして今年から始まった、小学生ロボコン。本コンクールの開催によって、日本でのSTEM教育にさらに関心が集まり、グローバルな人材育成に弾みがつくことを期待したいものです。

 

 

参照資料

※1 「ROBOCONオフィシャルサイト」

NHK

http://www.official-robocon.com/

 

※2 「IDCロボコンオフィシャルサイト」

Yamakita Lab

http://www.idc-robocon.org/idc2019/about.html

 

※3 「レスキューロボットコンテストオフィシャルサイト」

レスキューロボットコンテスト実行委員会

https://www.rescue-robot-contest.org/19th-contest/

 

※4 「ETロボコンオフィシャルサイト」

ETロボコン本部事務局

https://www.etrobo.jp/

 

※5 「Hondaの社会貢献活動」

本田技研工業

https://www.honda.co.jp/philanthropy/robocon/

 

※6 「第1回小学生ロボコン/2020 全国大会」

NHK

http://www.official-robocon.com/shougakusei/

 

※7 「諸外国におけるSTEM教育の取組例」

文部科学省 (2018/9/18)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2018/09/18/1409229_06.pdf