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2023年09月22日

「講師として指導する立場と学生として大学で学ぶ立場 両方にいる自分たちだからこそ」枚方教室

TEACHERS’ SUMMIT(教室年間計画)は、リーダー講師を中心として教室全体が参加する、年間を通じた活動です。その活動の発展形として、関西個別指導学院 枚方教室で「教室SDGs」の取り組みを実施しました。

残暑厳しい2023年9月、関西個別指導学院 枚方教室(大阪府枚方市)では「教室SDGs 学部学科説明会」を開催しました。

すべて現役大学生講師による企画であり、「自分の通う大学学部について詳しく解説することで、生徒の進路と未来に貢献したい」という思いで開かれた会です。

日曜日にもかかわらず、中学2年生から高校2年生の生徒とご家族が多数参加されました。

今回、解説したのは全9学部です。[1 スポーツ健康学部、2 外国語学部、3 教育学部、4 商学部、5 農学・生命科学部、6 法学部、7 理学部(化学)、8 理学部(数学)、9 理学部(物理)]

 

会を企画した奥野、井寄、植田、角倉の4人のリーダー講師から話を聞きました。

関西個別指導学院ならではの「生徒と講師の距離の近さ」を最大化した説明会に

奥野 SDGsで何か教育面で貢献できないかと考えたとき、生徒の勉強に対するモチベーションを上げるという方向で貢献できないかと考えて、講師が自分の通う大学学部での学びについて解説する会を企画しました。生徒さんたちの未来や進路に対するきっかけになれば嬉しいと思います。

 

高校や大学でも説明会がありますが、伝えられるのはどうしても良いイメージだけになると思います。私たち講師の中にも、大学に入ってみたら思ってたのとかなり違ったと感じた人が多いです。そういう「中にいないと知りえないこと」を生徒さんに共有できたら、進路を選ぶときの良い参考にしてもらえると思いました。

 

植田 構想段階ではまず、関西個別指導学院ならではの「生徒と講師の距離の近さ」を最大化した説明会にしたいと思いました。形式ばって一方的に説明するような会でなく、お互いの距離が近くて相互のやりとりができる、参加者の疑問がその場で解消できるような会です。コーチングを学んだ私たちだからこそできる「対話形式の学部学科説明会」を目指しました。

 

参加者を集めるにあたっては、そもそもどうしたら進路に興味を持ってもらえるかが思案のしどころでした。自分もそうでしたが、高校1年生や2年生には、大学やその先の就職はすごく遠い未来のように感じるのです。

 

井寄 進路決定には保護者の意見も大きいはずなので、家族での参加を促すようにしました。「進路選択に悩んでいるご家族の皆さんどうぞお越しください」というメッセージを発信したところ、家族同伴での参加が8割を超えました。保護者が熱心に質問をされている姿が印象的でした。

たくさんの学びと気づき 相手の反応をしっかり見て、積極的な対話で引き出す

植田 「対話形式」とはいっても、話しかけすぎても理解を妨げてしまうのではとも思っていました。実際にほかの講師が発表しているのを見学したところ、逆に自分はもっと入れてもいいんだと実感しました。その講師は一つ説明するごとに、「ここに関してどんな感じに思う?」とか「この分野、興味ある?」とか、生徒さんの中にある見えないものを引き出していました。授業でもそういう声掛けをもっと細かく入れようと思いました。

 

奥野 複数の学部(ブース)を回ってもらうスタイルということもあり、「いっばい聞いたし後はもういいや」という感じにもなりがちでした。講師から積極的に声掛けをしてウェルカムの空気感をつくりだすことも大切だと気づきました。

 

植田 想定外だったのは、保護者の方々がみな熱量高く、積極的だったことです。もろちんそれは良いのですが、中には肝心の生徒がうつむいて置いてけぼりになっていることがありました。私はなるべくこちらから生徒自身に質問を投げかけ、一言でもいいから答えてもらうことを繰り返して、答えの中から説明との接点を見つけるように心がけました。「高校でどんな勉強に興味ある?」「うちの学部からはこういう職業に行く人が多いけど、どれに関心ある?」と聞いて答えてもらった中に、説明している学部と関係がある所を見いだして、そこに対して説明を広げていくのです。すると、下を向いていた生徒が顔を上げてくれるようになりました。

 

角倉 正直、誰からも質問がなかったらどうしようと不安がありましたが、意外なほどたくさん質問がいただけて、それに答えていくことでお互いにより理解が深まったと思います。自分はまだ講師1年目で、生徒の反応をしっかり見ることの大切さを実感しました。ある担当生徒はスポーツ健康科学部を志望しているのですが、今日の会で他学部の説明も聞いたうえで、第一志望への思いがさらに強まったようです。この気づきを明日からの授業に生かしたいと思います。

高校での学びは、大学とその先につながっている

スポーツ健康科学部のスライド

角倉 スポーツ健康科学部のスライドを見てもわかるように、大学での学びは、高校生が思っているよりも幅広いのです。スポーツ健康科学部は文系ですが、高校で学ぶ政治経済も英語も数学も必要になってきます。

 

植田 今回は文系と理系を分けて2日間の会にしましたが、そもそも文系と理系の選択で迷っている生徒もいました。文理選択は進路に直結する大イベントですので、文系と理系の具体的な比較もしてあげたらよかったなと思います。

 

枚方教室の学部学科説明会 全9学部…

■文系 1 スポーツ健康学部、2 外国語学部、3 教育学部、4 商学部、

■理系 5 農学・生命科学部、6 法学部、7 理学部(化学)、8 理学部(数学)、9 理学部(物理)

生徒の言葉や反応が何よりもうれしい

井寄 嬉しかったことは、「元々興味のなかった学部だけど、今日の話を聞いてみたらおもしろくて興味が湧いた」と言ってくれた生徒がいたことです。この生徒の将来の幅を少しでも広げることができたように感じます。

 

奥野 それと、生徒たちが自分から質問をたくさんしてくれたことですね。進路を決めていくときに、この説明会で得たことを思いだしてくれたらうれしいです。

 

井寄 たくさん質問してたくさんメモを取ってくれる姿を見て、この子たちの役に立てたんだなと思いました。生徒が遠慮せずに質問しやすい雰囲気づくりに努めたいと思いました。

 

奥野 今回だけでなく、毎年開催できるような会に成長させたいですね。

生徒を教える講師でもあり、大学で学ぶ学生でもあることの利点

角倉 この会をやってみて、私自身にも学びがありました。プレゼンテーションのために「自分は今どういった学問を学んでいるのか」をはっきりと言語化したことで、大学での学問を再確認し、通っている学部により興味を持つことができたと思います。

 

植田 会では私自身の将来についての質問が多くありましたので、目指す将来をもう一度見直す良い機会になったと思います。また、自分が教える立場と学ぶ立場にいることを再確認しました。「講師として生徒に教える立場」と「学生として大学で学ぶ立場」の両方にいるということです。この2つの立場からの視点があることを、もっと授業に生かしたいと思います。

 

井寄 私は社会学部でマスメディアについて学んでいます。メディアの役割の一つに伝達がありますが、「人にわかりやすくどう伝えるか」は塾講師の仕事としても重要な点です。今回、その点でとても大きな学びがありました。それと、チームで一つの企画を創り上げることの大変さも実感しました。

 

奥野 私にとっては、リーダーとしての自覚を持つ機会になりました。ここにいる4人のリーダー講師でプロジェクトを進めたわけですが、すべての意見が一致するわけではなく、初めは方向性さえもバラバラでした。でも、リーダーがまとまっていないと、動いてくれるほかの人たちに混乱が生じてしまいます。まず相手の意見をしっかり聞くこと、自分は意見の伝え方を工夫すること、コミュニケーションの機会をしっかり創ること、そういうリーダーとしての動き方を学びました。

参加した生徒・保護者の声

「文系学部でも高校数学は必要でビックリ」

「物理や化学が身の回りでどう活かされているか少しイメージできた」

「商学部は文系学部だけど、自分の好きな数学の知識が活かせそうで興味が湧いた」

「国語力の重要さを再認識した」

「大学学部でとれる資格取得についての説明が詳しかった」

「初めて聞く学科でおもしろそうなものがあった」

「自分の進みたい道はスポーツ系だ!と再認識した」