FEATURES東京個別チャンネル

FEATURES一覧に戻る

2020年06月15日

【てら先生コラム】第27回:2021年度の中学校選びでやっておきたいこと

教育業界に携わり30余年の「てら先生」による月1コラム。
今月は「2021年度の中学校選びでやっておきたいこと」についてお届けします。

 受験校選びは、子ども自身がその学校に心から「行きたいと望むこと」が何よりです。自分がその学校に通っているイメージが湧けば、「絶対に合格したい」という気持ちが更に湧き出て、勉強のやる気にもつながりますので、行きたい学校を実際に目で見ることは受験勉強に大きな影響を与えます。また、学校選びの段階で実際に学校に足を運ぶことで、それまで気づかなかった学校の素晴らしさを発見し、志望校を変えてしまうような学校との運命的な出合いをするご家庭も少なくありません。

 また、説明会では、学校HPやパンフレット、受験雑誌等に掲載していない前年度入試や次年度入試に関する情報や進学情報を説明会参加者に伝える学校があったり、説明会参加者を熱心に志望している受験生(ご家庭)として配慮する学校もあったりしますので、学校選びだけではなく、説明会に参加するメリットは大きいと言えます。

 例年ならば、受験を考えている子どもや保護者は、春から秋にかけて、複数の学校の学校説明会・オープンキャンパスや運動会・学園祭などの行事に足を運び、どの学校が自分(子ども)に向いていそうかを検討し、様々な情報を集めていきますが、2020年の場合は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの学校で学校説明会や行事が中止や延期になっている状況です。そして、多くの学校の情報を一度に集めることが可能な合同説明会も中止や延期になっています。*¹ これは、大学受験や高校受験でも同様のことが起きているのです*⁷ 。志望校選択において保護者の関与度が高い中学受験において、このような環境変化の中で、子どもに合いそうな学校をどのように探したり情報を集めたりしていけば良いのかを考えてみたいと思います。

 

 

◆まずは学校HPをチェック

 

 現在のように、学校に足を運ぶ機会を持てない場合は、まずは、気になる学校のWebサイトを訪れてみましょう。学校案内のパンフレットの送付を請求できるページもありますし、Web上でパンフレットの内容を閲覧できる学校もあります。Webサイトやパンフレットの情報は、実際に自身で中学校を見学して得られる情報と比べると、学校側が特にアピールしたい情報の優先順位を上げて掲載されている場合が多いので、その学校の雰囲気や、その学校が何を大切にしているのかを知ることができます。

 そして、多くの学校では、学校紹介の動画をHP上で公開しています。校長先生や教員の挨拶・教育内容の紹介・生徒インタビュー・授業や部活動の様子・臨時休校中に取り組んでいる「オンライン授業」の動画の一部の紹介・バーチャル校内見学など、学校によってその内容は様々です。

 また、Google Mapで行きたい学校を検索し、ストリートビュー機能を使えば、最寄り駅から学校までの通学路の様子もある程度つかむことができます。

 

 

◆色々な学校のオンライン説明会に参加

 

 中にはオンライン説明会やWeb体験授業を実施している学校もあります。オンライン説明会は、学校によって事前申込が必要な学校と不要な学校がありますので、確認しておきましょう。全ての学校が参加しているわけではないのですが、模擬試験業者などが主催するオンライン合同説明会も始まっています。*²

 実際に学校に足を運び、説明会などに参加する場合は、学校の先生方もいらっしゃるので、その場で保護者と子どもが感想を話し合うことは難しいですが、オンライン説明会の場合は、説明を聞きながら保護者と子どもが感想を自由に話し合うことができますので、子どもの反応をみながら、子どもに合いそうな学校を探っていくことができます。

 オンライン説明会は、①説明会のライブ配信を閲覧するタイプ、②ライブ配信を閲覧するだけではなくチャット機能などを使って質問も出来るタイプ、③あらかじめ収録した動画にアクセスすれば常時閲覧出来るタイプに大別されます。①②は、ライブ配信なので、説明会が開催される日時に視聴する必要がありますが、③のタイプは公開期間内ならばいつでも視聴が可能です。②の場合は、例えばオンライン会議システムZoomを使っている学校では、チャット機能を使って他の参加者に知られずに質問することも出来るようです。実際の説明会会場で挙手をして質問をすることに躊躇してしまうような子どもや保護者にとっては、便利な機能です。各学校がどのような形で説明会を実施するのかも、学校HPで確認しておくと良いでしょう。

 また、オンライン会議システムを使用して、学校の先生に個別相談が可能な「オンライン相談会」を実施している学校もあります。この場合は、事前予約制となりますが、相談内容をまとめておくと、効率よく知りたい情報を入手することが出来ます。そして、他の受験生・保護者の目を気にせずに、遠慮無く質問できたり、待ち時間なく相談できたりするメリットもあります。

 

 

◆実際に足を運ぶ学校の優先順位をつける

 

 実際に学校に足を運ぶ移動時間がかからない分、幅広く、多くの学校のWebサイトやオンライン説明会での先生のメッセージを聞き、通っている生徒たちの学校生活を紹介する動画などを見ることが出来ます。第一志望としている学校や憧れている学校だけではなく、少しだけ気になっている学校の雰囲気を知るきっかけとすることもできます。学校が発信する情報に直接触れ、収集し、子どもに合う学校を見極めていきましょう。

 今後、新型コロナウイルス感染のリスクが減り、学校で学校説明会や行事などが行われるようになったら、やはり気になる学校には、可能な限り、実際に足を運び、オンライン上では得られなかった情報を中心に確認することをお勧めします。新型コロナ問題が沈静化してから出願までの期間は限られてきますので、多くの学校の説明会や行事が同一日に集中することもあるでしょう。*³ また、受験学年であれば、模擬試験の日程との兼ね合いも出てくるでしょう。学校説明会や行事が再開されるようになったときに、気になっている学校を効率よく訪れることができるよう、今のうちに幅広く学校のWebサイトやオンライン説明会を活用して見て回り、子どもに合いそうな学校を複数見つけておき、足を運んでみる学校の優先順をつけておきたいものです。

 

 

◆入試要項をチェックする

 

 今後、新型コロナウイルスの収束状況によっては、入学試験自体が例年と異なった内容や時期で行われる可能性もあります。

 [密閉][密集][密接]を避ける配慮の観点から言えば、イベント会場に2000人以上の受験生を集めて行う入学試験*⁴ や、1科目の試験時間が70分の入学試験*⁵、グループワークを取り入れた入学試験*⁶などは見直される可能性がないとは言い切れません。また、試験時間の合間の休憩時間を従来よりも延長して換気を徹底する学校が出てくれば、集合時間や試験終了時間も変わってくる可能性があります。そうすると、午後入試の開始時間にも影響が出てきます。面接を行う学校の中には試験当日以前に分散して実施する学校やオンライン面接を行う学校が出てくるかも知れません。試験会場へ付き添う保護者のための控え室の設置方法も従来と変わってくる可能性もあります。そして、資格・検定試験や構内外の活動をアピールするプレゼンテーション型入試を行う学校では、評価する活動時期や内容の変更を行う可能性もあります。これらはあくまでも個人的な見解ですが、新型コロナウイルスの収束状況によっては、受験生や保護者の安心・安全を優先して、今までにない対応をとる学校が出てきても不思議ではありません。

 すでに2021年度入学者選抜試験の要項を発表している学校もありますが、一部変更される可能性があることは、留意しておきましょう。そして、各学校の入試要項が出揃う秋に、改めて出願を検討している学校の入学者選抜試験の要項を確認することをお勧めします。

 

 

◆保護者のできること

 

 学校の休校が続き、「学習の遅れ」が気がかりな保護者が多いとは思いますが、まずは、子どもや家族の健康管理を第一に考え、志望校選択に関しては、オンラインの特長を活かしながら、今集められる情報を効果的に収集することから始めておくと良いでしょう。そこで、気がかりな点や心配な点があれば、検討中の学校や塾の先生に相談して、解消することをお勧めします。そのような相談先を確保しておくことも保護者が出来ることです。

*¹ 2020東京都私立学校展延期のお知らせ  東京私立中学高等学校協会  2020年4月24日

http://www.tokyoshigaku.com/news/86/

第40回 中・高入試 受験なんでも相談会」中止のお知らせ 声の教育社  2020年3月31日

https://www.koenokyoikusha.co.jp/m-page/pdf/2020nansong1.html

 

*² 私立中100校による「おうちde説明会&相談会  首都圏模試センター  2020年5月24日

https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/entry/entry002346.php

オンライン学校説明会 プレジデントファミリークラブ 関西

http://eo.presidentfamily.com/online/

 

*³ 2020年度  学校行事・学校説明会 開催情報 育伸社

掲載されている、日程は中止・変更される可能性があります。学校を訪問したい場合などは、学校へ直接ご連絡ください。

https://www.ikushin.co.jp/school/index.php?mode=list&e=27

 

*⁴ 例えば、市川中学校2020年度第1回入学試験は幕張メッセを会場に2691人が受験しました。

https://ichigaku.s3.amazonaws.com/wp-content/uploads/2019/08/2020中学募集要項%EF%BD%902方法2.pdf

http://www.ichigaku.ac.jp/examinformation/result/中学入試概要%ef%bc%882020年度・第1回%ef%bc%89/

 

*⁵ 例えば、洛南高等学校附属中学校の算数試験の制限時間は70分でした。

 http://www.rakunan-h.ed.jp/junior/wp-content/uploads/2018/08/2020_junior-youkou.pdf

 

*⁶ 例えば、2020年度は、共立女子中学校、聖セシリア女子中学校、聖ヨゼフ学園中学校、細田学園中学校、目白研心中学校、和洋国府台女子中学校、追手門学院大手前中学校などが実施しました。

https://www.syutoken-mosi.co.jp/common/pdf/nyushi_joho/nyushi_yoko_kekka/2020_youkou1216.pdf

https://www.otemon-js.ed.jp/js/admission/schedule_j.html

 

*⁷ 例えば、東京大学・明治大学・立教大学・中央大学・法政大学はオープンキャンパスを中止しました。

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400137643.pdf

https://www.meiji.ac.jp/exam/event/opencampus/

https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/visit/opencampus/

https://www.chuo-u.ac.jp/admission/connect/event/oc.html

https://nyushi.hosei.ac.jp/event/oc

また、合同説明会予定も白紙・中止になっています。

https://www.12daigaku.jp/ths12-pc/index.html

(以下は中高生対象)

https://gakuran.jp/matsuzakaya/ 

【てら先生コラム】バックナンバーはこちらから

 https://www.tkg-jp.com/pickup/detail.html?id=2111

 

 

~【てら先生】プロフィール~

教育業界に携わり30余年。
何千人もの子どもたち・保護者に学習・進路相談を行う。
現在は株式会社東京個別指導学院 進路指導センター 個別指導総合研究所にて同学院のブレインとして活動。
文部科学省・各学校に足を運び、様々な情報を収集し教室現場への発信・教育を行っている。