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2022年04月01日

持続可能な未来をリードする若手人財の見つけ方、育て方~企業とともに大学生のキャリアをつくる~

2022年2月28日~2022年3月31日に日経電子版広告特集にて掲載したものを再掲。
(肩書・会社名は2022年2月取材時のものとなります。)

ベネッセグループの学習塾、東京個別指導学院は2022年1月27日、「持続可能な未来をリードする若手人財の見つけ方・育て方 企業とともに大学生のキャリアをつくる」と題したオンラインセミナー(参加無料)を開催した。齋藤勝己社長をはじめ、神戸大学大学院の服部泰宏准教授、ニトリの永島寛之理事/社長室、若手ビジネスパーソンらが参加し、大学生時代から始まるキャリアづくりのあり方に関して意見を交わした。企業の人事・採用関係者、人材育成担当者など、多くの企業人が議論に聞き入った。

学びながら働くby the jobが新たな成長軌道へと導く

神戸大学大学院 経営学研究科 准教授  服部 泰宏 氏

冒頭の基調講演では「大学生時代のどのような経験が社会でのハイパフォーマー因子につながるか」というテーマで、服部准教授が独自の研究成果を発表した。主な着目点は、活躍する社会人に共通する、大学生時代の体験や気づきだ。

 

服部
経営学研究における「学び」には越境学習、経験学習、観察学習など様々なバリエーションがある。大学生に対して、複数かつ多面的に、しかも連続した学びを提供できる環境が、実はある種のアルバイトやインターンシップにはある。

人の成長には実体験による観察学習が大切といわれてきた。さらに、観察をベースに内省を加え、自言語化して持論を形成するといった、過程のある学びの価値が高いようだ。また、新たな気づきを得るには、立場の異なる他者と交わりながらの学びが重要だ。大学生のうちにこのような複数の学びを体験できるかどうかが、その後の成長を方向づけるだろう。

 

働く場から離れた研修をoff the job、働く場で経験を通じて学ぶことをon the jobと呼ぶが、在学中に学びながら働くby the jobもある。学びの場に身を置きつつ、別な環境として働く場にも身を置くのだ。これからはby the jobにも注目していただきたい。

 

これまで、学生から社会人への接続に関する体系的な議論や研究は少なかった。神戸大学大学院では東京個別指導学院との共同研究をスタートさせた。東京個別指導学院の講師を経験したアルムナイ(卒業生、現在は社会人)へのインタビューから仮説を設計し、現役講師600人超の協力のもと、一般大学生を含めた総計1700人規模の調査を進めている。

人を成長させるカギは、 豊富なフィードバックと観察学習

自分に自信があって成長しているという実感はパフォーマンスに大きな影響を与える、という研究結果がある。どんな経験が成長を実感させるのだろうか。例えば、アルムナイへの調査に基づく分析では、言語を通じた直接的なフィードバックの経験が、成長を左右する強い因子だとわかった。他所では得られない要素としては、進学を控えるなど切実な立場にある顧客からの濃いフィードバックは、日常にない気づきを大学生講師にもたらすようだ。

 

東京個別指導学院では他流試合で同僚講師から学ぶという観察学習の機会がある。フィードバックや観察学習を通じて、自ら手法を見直したことによる成功体験は、大きな自信をもたらし、新たな成長軌道へと導く。

 

人の成長モデルはいつも右肩上がりではない。中だるみや伸び悩みは、多くの場合は慣れが原因となる。しかし、適切なフィードバックを得たり、何がしかのショックを受けて新しい視点を得たりすれば、再び成長ペースが上がる。タイミングに応じた刺激が持続的な成長を可能にするだろう。

 

◆◆◆

 

ここまでの基調講演を受けて、齋藤社長は「教室という場では、生徒だけではなく講師も育つ。『教えるは学ぶ』だ。東京個別指導学院では生徒自身が講師を選ぶ担当講師制度を採用している。自分は必要とされた、この思いに応えたいという意識が仕事への情熱を生み、顧客が寄せるフィードバックを自分ごと化することができる。さらには顧客から学ぶ『カスタマーファースト』の姿勢が身についていく」と述べた。

アルムナイ参加者からは「時には顧客からきついフィードバックも受けたが、課題解決に立ち向かった経験は貴重だった」「定期的に仲間同士でのフィードバックの機会があったので、自分なりにベストな手法を見つけられた」といった感想が寄せられた。

学生の経験は社会とつながっていることを認識するニトリのインターンシップ

株式会社ニトリホールディングス 理事/社長室  永島 寛之 氏

続いて、ニトリの永島氏が自社のインターンシップ制度を紹介した。インテリア小売のニトリは企業理念=ロマンとして『住まいの豊かさを世界の人々に提供する』を掲げ、3万人規模のインターンシップで知られている。

 

永島

ニトリのインターンシップは「発見」「想像」「挑戦」の3ステップで構成しており、全て参加すれば主体的なキャリアデザインができるように設計されている。

第1ステップは「発見」。就活を始める学生に「働く目的」を考えてもらうステップだ。社会課題の解決から夢に向けた軸を模索していく。就活支援セミナーには約60回、毎回500人が参加し、白井社長自らが登壇している。第2ステップ「想像」は約7000人が参加し、学生10人にリクルーター1人を配して、様々な部署の仕事を経験してもらう。

最後の第3ステップ「挑戦」には約5500人が参加。リクルーターは学生5人に対して1人となり、少人数でディスカッションしながら、それぞれの夢の実現に向けたキャリアデザインに取り組む。インターンシップを単なる企業の採用のツールに終わらせず、学生が「働くとは何か」を考えぬく機会にしたい

リクルーターにとっても学びのメリットが大きい。自分自身と向き合う貴重な機会になるからだ。彼らは幹部候補生でもあり、成長は企業にもプラスに働く。

ニトリのインターンシップは学生と社会をつなぐ場ではない。学生は社会とすでにつながっており、それを認識してもらう場である。「世の中の就職に悩む学生をゼロにする」という強い思いで、これからも続けていきたい。

同じ志を抱いた多様な個性が集うチームでの学びは、就職してからも再現が可能

株式会社東京個別指導学院 代表取締役社長  齋藤 勝己

最後に登壇した齋藤社長は、のべ10万5000人の大学生と共に生み出した「価値共創ビジネス」のカルチャーを、動画を交えて披露した。東京個別指導学院は直営で全国に266教室を展開しており、約3万6000人の生徒が在籍している。擁する講師は1万2000人で、3分の1にあたる約4000人が生徒経験者である点が強みになっている。

 

齋藤

東京個別指導学院のビジネスモデルは、大学生と共に成長する価値共創ビジネスである。講師の9割は現役大学生。向上心の高い彼らの成長支援を通じて、顧客価値、社会価値、経済価値を創造する。

独自に開発した人財育成メソッド「TEACHERS’ SUMMIT」を紹介したい。266の一つひとつの教室がチームになり、ありたい姿=ビジョンを策定する。次いで、現状を把握・分析して、教室活動計画を立案する。計画は年間を通じてPDCA(計画、実行、評価、改善)を回す。他の教室と学び合うナレッジ共有の機会を定期的に設け、講師自らプレゼンテーションする。

年度終わりの3月には大総括会を開催しているが、2021年はオンラインで5000人が一堂に会した。

誰かのために情熱を注いだ経験、同じ志を持った多様な人々とチームになるという経験は、社会人となってからも再生可能な知恵となる。このような成長機会を大学生に提供していく。

 

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実際に講師経験を持つアルムナイからは「TEACHERS’SUMMITでは数十人規模の仲間と『あるべき姿』を描くという貴重な経験が得られた」「上司や同僚と目的を持ったコミュニケーションをとった経験や、チームで成果を出した経験は、仕事でも役に立っている」という声が聞かれた。

枠組みを超えた「つながる」がサステナブルな未来をつくっていく

続くパネルセッションでは「持続可能な未来を担う大学生の成長を支援するために、企業、教育事業者が協力してなすべきこと、できることは何か」をテーマに、異なる立場から議論が重ねられた。
 

永島  小さな経験でも内省を経てスキルにできるマインドセットになっているかがカギ。再現性が大事だ。新卒者は経験がリセットされてゼロになるわけではなく、年齢の分だけ経験資産がある。経験をスキルにつなげていこう。企業側には、学生が積み上げてきた経験資産を生かしていく態度が望まれる。

 

齋藤  深く考える機会を大学生に提供できるかどうかが肝心だ。成長する講師に共通しているのは「問いの質」が高い点。自分を主語にした自分へのフィードバック、いわば内省を重ねるチャンスを用意したい。

 

服部  大学とアルバイト先企業、就職先企業の三者は、互いに競争的でありつつ補完的でもある「コンペティティブ・バット・コンプリメンタリー」(competitive but complementary)な関係にある。しかし、今は時系列で分断して、別々に学生の貴重な時間を抱え込んでいるのが現状だ。コンペティティブ・バット・コンプリメンタリーの関係性を理解したうえで、三者が学生の持続的な成長を引き出していく必要がある

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齋藤社長は「今回の議論では『つながる』がキーワードに浮かび上がった。大学生にとって、心つながる仲間の存在は成長の支えになる。持続可能な未来をリードする人財を社会に送り出すために、産学の枠組みを超えてつながりたい。大学生の成長支援の意義を共有し、共同研究やイベントなどでつながることで、環境変化を成長の機会点にしていこう」と、有意義な議論を締めくくった。